社労士×エンジニアという働き方|スキルを掛け合わせて市場価値を高める

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「一つの専門性だけでは不安」「複数のスキルを持ちたい」そんな思いから、私は社会保険労務士として働きながら、プログラミングスキルを習得しました。「社労士」という労務の専門性と、「エンジニアリング」という技術力を掛け合わせることで、唯一無二の市場価値を築けると確信しています。この記事では、本業を辞めずにスキルを掛け合わせるキャリア戦略、そのメリット・デメリット、実践方法を詳しく解説します。

なぜ「社労士×エンジニア」という働き方を選んだのか

1つのスキルだけでは不安だった

社労士資格を取得し、人事労務の仕事に就いて数年。仕事にやりがいは感じていましたが、以下のような不安を抱えていました:

  • AIによる代替リスク:定型的な労務業務は、AIで自動化される可能性が高い
  • 市場価値の限界:社労士資格だけでは、差別化が難しい(有資格者は約4万人)
  • 収入の頭打ち:独立開業しない限り、年収は上がりにくい
  • 働き方の選択肢が少ない:転職先も限られる

「社労士資格に依存したキャリアでは、不安定だ」と感じました。

「スキルの掛け合わせ」という戦略

そんな時に出会ったのが、藤原和博さんの「100万人に1人の人材になる方法」という考え方です。

「1つのスキルで100人に1人(上位1%)になるのは難しい。しかし、3つのスキルでそれぞれ100人に1人になれば、100 × 100 × 100 = 100万人に1人の希少性が生まれる。」

私の場合、以下の掛け合わせを目指しました:

  • ①社労士(労務の専門知識):すでに持っている
  • ②エンジニアリング(プログラミング):これから習得する
  • ③データ分析(R言語・Tidyverse):実務で活用する

この3つを掛け合わせることで、「HRテック(人事×IT)」「労務データ分析」という希少な領域で活躍できると考えました。

社労士×エンジニアの3つのメリット

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メリット1: 希少性が高く、市場価値が上がる

「社労士」だけなら約4万人いますが、「社労士 × プログラミングができる人」となると、おそらく数百人レベルです。この希少性が、市場価値を大きく引き上げます。

実際の効果:

  • 人事コンサルティング会社から、「労務とITの両方わかる人材」として高く評価された
  • HRテック企業からスカウトを受けるようになった
  • 副業での時給が、通常の社労士業務の1.5倍になった

メリット2: 業務を効率化し、成果を出せる

プログラミングスキルがあると、自分の業務を劇的に効率化できます。

私が実際に効率化した業務:

  • 給与計算の自動化:Excelマクロで毎月3時間 → 10分に短縮
  • 社会保険手続きの一括処理:PythonスクリプトでPDF一括作成
  • 離職率分析の自動化:R言語で月次レポートを自動生成
  • 勤怠データ分析:長時間労働者を自動検出し、アラート

効率化で生まれた時間を、より付加価値の高い業務(制度設計、経営層への提案など)に充てることで、評価も上がりました。

メリット3: 収入源が複数になり、安定する

社労士の本業だけでなく、プログラミングスキルを活かした副業も可能になります。

私の収入源(複業):

  • 本業(社労士):安定した給与
  • 副業①(労務コンサル):専門知識を活かした顧問業務
  • 副業②(Webアプリ開発):mechatora.comの運営(将来的に広告収入)
  • 副業③(技術記事執筆):QiitaやZennでの執筆

1つの収入源に依存しないことで、精神的な安定も得られました。

社労士×エンジニアの2つのデメリット

デメリット1: 学習時間の確保が大変

フルタイムで働きながら、プログラミングを学ぶのは簡単ではありません。平日は1〜2時間、休日は5時間を学習に充てましたが、正直かなりハードでした。

対策:

  • 朝活(5:30起床)で学習時間を確保
  • 通勤時間を活用(Progate、Udemyの動画学習)
  • 「完璧に理解する」を諦め、「7割理解で次に進む」

デメリット2: どちらも中途半端になるリスク

「二兎を追う者は一兎をも得ず」という言葉の通り、両方に手を出すことで、どちらも中途半端になるリスクがあります。

対策:

  • 社労士が「主」、エンジニアリングが「従」と明確化:本業をおろそかにしない
  • 目的を明確にする:「フルスタックエンジニアを目指す」のではなく、「業務効率化とデータ分析ができればOK」
  • 学習範囲を絞る:HTML/CSS/JavaScript、R言語に特化

スキルの掛け合わせで実現できたこと

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実現1: HRデータ分析の社内プロジェクト

社内で「離職率削減プロジェクト」を立ち上げ、データ分析を主導しました。

  • R言語で過去5年分の人事データを分析
  • 離職率の高い部署・年齢層を可視化
  • 原因仮説を立て、経営層に提案
  • 結果、翌年の離職率が15% → 10%に改善

実現2: 15個のWebアプリを公開

mechatora.comで、自分が「あったら便利」と思うツールを15個以上公開しました。

  • 資格試験カレンダー
  • CookSuggest(料理提案ツール)
  • 地震情報モニター
  • フラッシュカード学習ツール
  • 日本酒データベース

これらのアプリを通じて、プログラミングスキルを実践で磨きました。

実現3: 技術ブログの運営

このブログ(blog.mechatora.com)で、社労士とエンジニアの両方の視点から記事を発信しています。

  • 社労士試験の合格体験記
  • R言語でのHRデータ分析
  • プログラミング独学の体験記
  • Webアプリ開発の技術解説

アウトプットを続けることで、知識が定着し、ブランディングにもつながっています。

本業を辞めずにスキルを掛け合わせる方法

ステップ1: 現在のスキルを棚卸しする

まず、自分が持っているスキル・経験を書き出します。

  • 専門資格(社労士、税理士、FPなど)
  • 業務経験(営業、人事、経理、マーケティングなど)
  • 趣味・特技(写真、デザイン、ライティングなど)

ステップ2: 掛け合わせるスキルを選ぶ

現在のスキルと相性の良いスキルを選びます。

選び方のポイント:

  • 市場ニーズがある:「〇〇 × プログラミング」「〇〇 × データ分析」は需要が高い
  • 本業に活かせる:学んだスキルが、すぐに業務で使える
  • 自分が興味を持てる:継続するには、楽しさが不可欠

ステップ3: 小さく始める

いきなり大きな目標を立てず、「小さな成功体験」を積み重ねます。

  • 「毎日1時間勉強」ではなく、「毎日10分から始める」
  • 「フルスタックエンジニアになる」ではなく、「業務効率化ツールを1つ作る」
  • 「資格を取る」ではなく、「実務で使えるスキルを身につける」

ステップ4: アウトプットを公開する

学んだことを外部に発信することで、知識が定着し、フィードバックももらえます。

  • ブログ記事を書く(Qiita、Zenn、note)
  • 作ったツールをGitHubで公開
  • Twitterで学習記録をツイート

ステップ5: 本業で実践する

学んだスキルを、すぐに本業で使いましょう。実務での成果が出れば、学習のモチベーションも上がります。

これからスキルを掛け合わせたい人へのアドバイス

1. 「転職」を前提にしない

「エンジニアに転職しなければならない」と考えると、プレッシャーで挫折します。まずは「今の仕事に活かす」という目標で十分です。

2. 完璧主義を捨てる

両方のスキルで「トップレベル」を目指す必要はありません。「それぞれ100人に1人」レベルで十分、掛け合わせれば希少性が生まれます。

3. 長期戦を覚悟する

スキルの掛け合わせは、短期間では成果が出ません。私も2年かけて、ようやく「社労士×エンジニア」として認知されるようになりました。焦らず、コツコツ続けましょう。

4. コミュニティに参加する

同じように「〇〇 × エンジニア」を目指す人とつながることで、モチベーションが維持できます。Twitterや勉強会で仲間を見つけましょう。

まとめ

「社労士×エンジニア」という働き方は、希少性が高く、市場価値を大きく引き上げます。このページのポイントをまとめます:

  • 戦略:3つのスキルを掛け合わせて100万人に1人の人材になる
  • メリット:希少性、業務効率化、複数の収入源
  • デメリット:学習時間の確保、中途半端になるリスク → 対策で克服可能
  • 実現したこと:HRデータ分析プロジェクト、15個のWebアプリ公開、技術ブログ運営
  • 方法:スキル棚卸 → 掛け合わせるスキル選定 → 小さく始める → アウトプット → 本業で実践

「一つの専門性だけでは不安」と感じている方は、ぜひスキルの掛け合わせを検討してみてください。本業を辞めずに、新しいスキルを習得することで、唯一無二のキャリアを築けます。

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