社労士試験合格体験記|働きながら9ヶ月で合格した勉強法と時間管理術
「働きながら社労士試験に合格できるのか?」「何ヶ月勉強すれば合格できるのか?」社労士試験は合格率6〜7%の難関資格です。私自身、フルタイムで働きながら、11月から勉強を始めて翌年8月の試験で一発合格しました。この記事では、私が実践した勉強法、使用した教材、時間管理術、そして科目別の攻略法を包み隠さずお伝えします。これから社労士試験に挑戦する方の参考になれば幸いです。
なぜ社労士資格を取得しようと思ったのか
人事の仕事で感じた課題
当時、人事部で採用・労務業務を担当していました。日々の業務の中で、以下のような課題を感じていました:
- 法律知識の不足:労働基準法や社会保険の細かいルールがわからず、都度調べる必要があった
- 専門性の欠如:「人事のプロ」と呼ばれるには、体系的な知識が必要だと感じた
- キャリアの不安:このままでは市場価値が上がらないと危機感を覚えた
「実務に直結する資格で、体系的に学べるもの」として、社会保険労務士資格を選びました。
社労士資格の3つの魅力
- 実務直結:学んだ知識がそのまま仕事で活かせる
- 独占業務:労働・社会保険諸法令に基づく書類作成は社労士の独占業務
- 独立開業可能:将来的に独立という選択肢もある
私の合格スペック
基本情報
- 受験年:2019年
- 勉強期間:9ヶ月(11月開始 → 翌年8月試験)
- 勉強時間:約800時間
- 受験回数:1回(一発合格)
- 予備校:独学(通信講座なし)
- 仕事:フルタイム(週5日、残業あり)
試験結果
選択式試験: 労働基準法: 5/5 労働安全衛生法: 4/5 労災保険法: 5/5 雇用保険法: 5/5 一般常識(労働): 4/5 一般常識(社保): 3/5(基準点ギリギリ!) 健康保険法: 5/5 厚生年金保険法: 5/5 国民年金法: 4/5 合計: 40/45 択一式試験: 合計: 52/70(基準点45点) 総合結果:合格(合格基準点を上回る)
一般常識(社保)が基準点ギリギリの3点で、冷や汗をかきました。この科目の難しさは後ほど詳しく解説します。
使用した教材
基本テキスト
「みんなが欲しかった! 社労士の教科書」(TAC出版)
- メリット: フルカラーで図解が豊富、初学者でも理解しやすい
- 使い方: 1周目は通読、2周目以降は問題集と併用
- 価格: 約4,000円(上下巻セット)
問題集
「みんなが欲しかった! 社労士の問題集」(TAC出版)
- メリット: テキストと完全連動、解説が詳しい
- 使い方: 3周以上繰り返す(間違えた問題は5周以上)
過去問題集
「社労士 過去10年本試験問題集」(成美堂出版)
- メリット: 過去10年分が収録、本番の難易度を体感できる
- 使い方: 試験3ヶ月前から、毎週1年分を時間を測って解く
その他
- YouTube講義動画:「社労士24」(資格の大原)の無料サンプル動画
- スマホアプリ:「社労士 一問一答」(通勤時間に活用)
総費用は約2万円。予備校の通信講座(15〜20万円)と比べて大幅に節約できました。
9ヶ月の勉強スケジュール
11月〜1月(基礎インプット期)
目標:全科目のテキストを1周する
- 平日: 2時間(朝1時間 + 夜1時間)
- 休日: 5時間
- やったこと: テキストを読む、理解が難しい箇所はYouTubeで補足
この時期は「完璧に理解しよう」とせず、「全体像を掴む」ことを重視しました。労働法と社会保険法の全体構造を理解するのが目標です。
2月〜4月(問題演習期1)
目標:問題集を2周する
- 平日: 2.5時間(朝1時間 + 夜1.5時間)
- 休日: 6時間
- やったこと: 問題集を解く → 間違えた問題はテキストに戻る
1周目の正答率は50%程度で、心が折れそうになりました。しかし、「間違えることで記憶に定着する」と割り切り、淡々と進めました。
5月〜6月(問題演習期2 + 弱点補強)
目標:問題集3周目 + 弱点科目の集中学習
- 平日: 3時間(朝1時間 + 夜2時間)
- 休日: 7時間
- やったこと: 間違えた問題を重点的に復習、一般常識の対策開始
この時期から「間違いノート」を作成し、繰り返し間違える論点をまとめました。
7月〜8月(過去問演習 + 総仕上げ)
目標:過去問で合格点を安定して取る
- 平日: 3.5時間(朝1時間 + 夜2.5時間)
- 休日: 8時間
- やったこと: 過去問を時間を測って解く、模試を受験(2回)
試験1ヶ月前からは、毎週日曜日に過去問1年分を本番と同じ時間で解きました。時間配分の感覚を掴むのが目的です。
科目別攻略法
労働基準法・労働安全衛生法(配点大、比較的易しい)
攻略法:
- 労働基準法は確実に満点を狙う(基本中の基本)
- 労働時間、休日、年次有給休暇は頻出なので完璧に
- 条文の数字(36協定の限度時間など)は暗記カードで覚える
労災保険法・雇用保険法(配点大、実務でも使う)
攻略法:
- 給付の種類と要件を表にまとめる
- 数字の暗記が重要(待期期間、給付率など)
- 実務経験者は有利な科目
健康保険法・厚生年金保険法・国民年金法(配点最大、最重要)
攻略法:
- 年金3法は勉強時間の40%を割く(最重要)
- 老齢年金の計算式は完璧に理解する
- 被保険者の種別、適用除外など基本事項を確実に
- 健康保険と国民健康保険の違いを明確に
一般常識(労働・社保)(配点小、範囲広い、最難関)
攻略法:
- 深追いしない(コスパが悪い)
- 労働経済白書、厚生労働白書の最新データをチェック
- 統計数値(失業率、有効求人倍率など)は試験直前に暗記
- 基準点(3/5点)さえクリアすれば良いと割り切る
私はこの科目で3点しか取れず、基準点ギリギリでした。範囲が広すぎて対策が難しいため、他の科目で点数を稼ぐ戦略が重要です。
働きながら勉強時間を確保する方法
朝活の活用(最重要)
平日は朝5時に起床し、6時まで勉強しました。朝は頭が冴えていて、集中力が高いです。夜は疲れて効率が落ちるため、朝に重点を置きました。
通勤時間の活用
片道40分の通勤時間は、スマホアプリで一問一答を解きました。1日往復で80分 = 約1ヶ月で40時間の勉強時間になります。
昼休みの15分
ランチ後の15分は、前日の復習に使いました。「昨日間違えた問題を3問解く」だけでも、記憶の定着に効果的です。
休日は図書館へ
家では誘惑が多いため、土日は図書館で勉強しました。朝9時〜18時まで(昼休み1時間)で8時間確保できます。
合格するために必要なマインドセット
1. 完璧主義を捨てる
社労士試験は満点を取る試験ではなく、「基準点をクリアする」試験です。全科目で7割取れれば合格できます。わからない問題は深追いせず、次に進む勇気が必要です。
2. 継続が最強
「毎日2時間」を9ヶ月続けることが、「週末に10時間」を数回やるより効果的です。記憶の定着には「反復」が不可欠です。
3. アウトプット中心
テキストを読むだけでは合格できません。問題を解いて、間違えて、復習する。このサイクルを何度も回すことが重要です。
4. 模試は必ず受ける
本番と同じ時間配分、緊張感を体験できるのは模試だけです。私は2回受けて、時間配分のミスを修正できました。
合格後のキャリアへの影響
実務での変化
- 自信を持って判断できる:法律の根拠を説明できるようになった
- 相談される機会が増えた:社内で「労務のプロ」として認識された
- 業務の幅が広がった:就業規則改定、助成金申請など高度な業務を担当
キャリアの選択肢が増えた
- 社労士資格を活かして、人事コンサルティング会社への転職も視野に
- 将来的には独立開業も選択肢の一つ
- 副業で労務相談を受けるなど、複数の収入源を確保
まとめ
社労士試験は難関資格ですが、正しい勉強法と継続力があれば、働きながらでも合格可能です。このページのポイントをまとめます:
- 勉強期間:9ヶ月、約800時間(働きながら)
- 教材:独学(市販テキスト + 問題集 + 過去問)で総額2万円
- 科目別戦略:年金3法に40%、一般常識は基準点狙い
- 時間確保:朝活 + 通勤時間 + 休日図書館で1日3〜8時間
- 合格の鍵:完璧主義を捨て、継続し、アウトプット中心の学習
これから社労士試験に挑戦する方へ。合格率6〜7%という数字に怯む必要はありません。正しい方法で努力を続ければ、必ず合格できます。応援しています!
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